ふたたび、弥山から前鬼を歩く
             2005/8/21〜8/22

8/21 トンネル西口〜弥山(弥山小屋泊まり)
8/22 弥山〜八経ヶ岳〜釈迦ヶ岳〜前鬼
これが今回の予定である。
僕にとっては、このコースは二度目である。

このコースは、昨年9/23から独りで熊野本宮まで歩こうと歩き始めたのだが、
二日目の9/24は豪雨のため、断念して前鬼に下ったことがある。
その時の行程は次の通りである。
9/23 トンネル西口から弥山〜楊枝ヶ森小屋泊まり
9/24 楊枝ヶ森小屋〜釈迦ヶ岳〜深仙の宿〜太古の辻〜前鬼(宿坊泊まり)

二日目(9/24)は朝から雨となり、途中バケツで水をかけられたような雨に出遇ったことを
いまでも鮮明に想い出す。

前回景色が全然見られなかったので、もう一度このコースを歩いてみたいなあ、と思い続けてきた。
宮地さんと鈴木さんらが北奥駈(吉野〜前鬼)を歩く計画を立てられていたが、
弥山から前鬼を歩くときにはご一緒に、とお願いしていたのだが、
内炭さんが計画されているのを知り、宮地さん、鈴木さんと参加させて頂くことにした。

天気が気になり、週間予報を見ていたが、どうも晴れマークはでてこない。
曇りマークから曇り・雨マークに、次第に悪い方向に向かっている。
雨は覚悟せねばならない。

第一日目(8/21)

今日の参加者は11名、内炭夫妻で総勢13名。
橿原神宮から10時に小型バスでトンネル西口に向かう。
12時トンネル西口に到着する。
雨のためバスの中で昼食する。

第一日目のルートを図示しましょう。(黄線は前回のコース)


12.33分 登り始める。

歩き始めて、まもなくして分岐点があり、
左の道を登る。
前回は、真っ直ぐ進んで、図示した黄色のコースを登ったのだ。

13.32分 行者還から弥山への熊野古道に出合う。
ちょっと休憩。
 
13.42分 「一ノ多和」に着く。
「多和」は、「垰(たわ)」と通常書かれているのが多いのだが、
「多和」と書かれているのは珍しい。
 
13.45分 「行者還トンネル上北山出口」「天ノ瀬」への分岐点に着く。
「これ英語で書かれている!」「世界遺産になったからねぇ」なんて
ビックリしたような声が聞こえる。
 
歩きながら、トリカブトの花を見つけて、
「これ、色が悪いね」なんて言いながら通り過ぎて行く。
トリカブト曰く、「何言ってるの。そちらこそしおれているのに!」
なんて言っているような気がした。

歩く道に張っていた木の根っこの上を歩いて、
「あっ!」と思った時にはスッテンコロリン・・・・横滑り。
ちょうど傘をさしていたので、傘は無惨にも骨が折れてグシャリ!
雨なので写真を撮るとき、カメラが濡れるのを防ぐために用意してきたのだが・・・
8本のうち3本が折れている。まだなんとか役には立ちそうだ。
 
14.15分 「行者還トンネル西口」への分岐点に着く。
僕は前回トンネル西口から登って、ここに出てきた。
見覚えの標識がある。
 
14.36分 「石休ノ宿跡」に着く。

14.47分 「弁天ノ森」に着き、ちょっと休憩。
  
道もところどころ水たまりになってきている。

二人の子ども連れ夫婦とすれ違う。
「こんにちわ!」と子どもが元気な声で挨拶して下りていった。
15.16分 「聖宝ノ宿跡」に着き、休憩。
Kさん、二度ほど転んでいる。
ちょっと脚の方、大丈夫かなあ、
明日の釈迦ヶ岳あたりは険しく、つまづけば大変な事故になるから、
と心配である。

16.26分 弥山小屋に着く。
 
小屋に入り、濡れた雨具や上着、下着を乾燥室に吊し、ホッと落ち着く。
乾燥室のヒーターは熱風が出ていない。
「これでは明日の朝まで乾かないだろうなあ。困ったなあ」と思う。

5時から夕食である。
今日の泊まり客は、僕らのほかには、親子ずれ二人と女性が一人である。
6時半頃まで食堂でビールを飲みながら歓談。
「明日の朝食は5時にしますので、それまで準備を完了してください。
5時半には出発しますから」との話である。
鈴木さんは家から担いできた焼酎1パックを宮地さんとゆっくり呑みたいのだが、
残念ながら食堂は6時半までしか許可してくれない。
規則のきびしいことで有名な小屋のご主人である。
宮地、鈴木さんは、お酒を調達し、食堂では飲めないので廊下に坐って二次会である。
後で話を聞けば、8時半頃まで内炭さん(奥さんのほうですからね)も一緒に呑んだという。

僕は、7時頃には・・・・スヤスヤ、ムニャムニャ・・・


第二日目 (8/22)

夜中に目を覚ましたが、雨は降り続いている。
止んでくれないかなあ、と願ったのだが・・・
4時には起きて、出発の支度をする。
昨日濡れた上着、肌着などまったく乾いていない。
雨の対策の着替えは持ってきたので大丈夫である。

5時に朝食。
この小屋は通常は朝食は6時からなのだが、特別の配慮で5時に繰り上げてくれた、という。
厳しい小屋の主人にしては珍しいことである。

二日目のコースをお示ししましょう。


出発前に、内炭さんが
「弥山(神社)まで行かれる人?」と希望を聞かれる。
「雨のため、希望者だけは出発前に行ってきてください」というのだ。
山頂の神社まで5分ほどなので僕は出かけてお詣りし、写真をパチリ!

雨の中で、写真を撮るのに、
傘をさして撮ろうと思って持ってきた傘は、
させば、半分だらり。
それでもまだ写真を撮るのに役立ってくれている。

弥山から八経ヶ岳への間は、オオヤマレンゲが群生しているので有名である。
6月下旬から7月上旬頃に真っ白い花を咲く、というのだ。
これは花の散ったオオヤマレンゲである。
 
6.12分 「八経ヶ岳(1915m)」山頂に着く。
雨の中、視界はまったくない。
しばらく休憩し、記念写真を撮って出発。
 
八経ヶ岳からの道は苔むす林間の中を歩く。
トリカブトの花が色鮮やかに咲いている。「このトリカブト、色があざやかだねぇ」の声。
  
7.10分 雨があがった。
まだまだ雨雲はたれこめているが下界が見えてきた。
「釈迦ヶ岳に着く頃には晴れ渡ってほしいなあ」と
言いながら歩く。
かすかな期待が湧いてくる。
釈迦ヶ岳山頂からの景色をみたい一心で出かけてきたのだからねぇ・・・

内炭さんが、「晴れていたらここから大普賢が見えるのです」と言っている。
「”晴れていたら・・・””晴れていたら・・・”が続きそうだねぇ」とささやきあう。
 
だいぶ遠くまで見えてはきたのだが・・・・

7.26分 五胡峰であろうと思われる付近で休憩し、また出発。
  
7.38分 まだ黒い雨雲が垂れ下がっている。
8.07分 たれ込めた雨雲も切れ間から薄日が差し込んできた。
「早く晴れてくれ」と叫ぶ思いだ。
  
8.33分 舟ノ垰をちょっと過ぎたところで休憩。
 
8.46分 枯れたバイケイソウの中を進む。

8.50分 七面山遙拝石に着く。

8.52分 トリカブトが密生して咲いている。
こんなにかたまって咲いているのが珍しいのでパチリ!
トリカブトの写真ばっかり・・・・・
花はトリカブト以外にはほとんど見当たらないからね・・・ごかんべんを。

9.12分 「あれが七面山の南壁」と内炭さんが教えてくれる。
山頂が雲間にちょっぴり覗いている。雲は速く流れている。
 
9.14分 雲も切れて、南壁がくっきりと見えてきた。

9.19分 楊枝ヶ森小屋が見える。
前回泊まった懐かしい小屋である。
内炭さんがバーナーでお湯を沸かしてくださる。
コーヒー、ココア、コンソメスープなどめいめい好きなものを頂く。
昼のパン2個とソーセージ、チーズの配給がある。
釈迦ヶ岳で昼食と言われていたようだが、僕はここで食べることにしよう・・・と。
  
10.39分 「仏生ヶ岳」の表示箇所を通る。
熊野古道は仏生ヶ岳の山頂と通らず、巻き道である。

11.03分 休憩。
Kさんはかなり疲れ果てている。何回か躓いて転んでいる。
内炭さんが彼の荷物を背負う。
孔雀岳から釈迦ヶ岳への道は躓けば転落する危険な箇所があるのだ。
前途が心配である。
安全第一。内炭さんがロープで安全確保して進むことになる。
 
11.09分 倒木の箇所が多い。
またいだり、くぐったり。
くぐるときにはリックを引っかけないように、如何に上手にくぐるか、技術が必要である。

11.24分 「鳥ノ水」と呼ばれる水飲み場である。
水はあまり流れてはいなかった。
  
11.40分 「孔雀覗」に着き休憩。
うっすら見えるのは「五百羅漢」と呼ばれて威容を誇っているところだが
生憎霧ではっきりと見られぬのが残念!
 
「孔雀岳の山頂はどこなの?」と聞けば、
「そのために地図を持ってきているんじゃないの」と言って調べるO嬢である。
熊野古道は孔雀岳の山頂は通らない。地図では鳥ノ水のあった上の方あたりだ。
 
11.49分 道標には「孔雀岳 1779米」と書かれ、
「釈迦ヶ岳へ110分」「仏生ヶ岳 60分」と書かれている。
 
12.00分 「釈迦ヶ岳」の山頂がうっすら見える。
「孔雀覗」からの道はダケカンバの生い茂った道である。
 
鎖をつたって下降する場所を通り、
12.27分 「椽ノ鼻(えんのはな)」と呼ばれるところに着く。
蔵王権現が安置されている。
右側は絶壁である。
 
12.28分 岩尾根の風景を眺めながら進む。

12.29分 ダケカンバを中を・・・

12.32分 右手は急傾斜の谷底・・・うっすらと岩壁が見られる。
晴れていれば素晴らしいだろうになあ、と思うのだが・・・

12.34分 「釈迦ヶ岳が・・」と声がする。
山頂は雲に隠れているがもう目の前だ。
 
12.41分 流れる雲に釈迦ヶ岳山頂がうっすら見え隠れしている。

12.44分 ダケカンバの道を登る。
前回歩いた時には、釈迦ヶ岳はまったく見えず、
ダケカンバの道は豪雨で水が流れ落ち、
道が川になっている中を歩いたことを思い浮かべながら歩いている・・・あの時はすごかったなあ・・・と。
 
12.59分 「あれが釈迦の山頂だ」という声。
もうすぐだ。

13.26分 釈迦ヶ岳(1800m)の山頂に着く。
今回の念願だった山頂からの景色は見られない・・・残念!
おやつを食べたりして、しばらく休憩。
釈迦如来を背に記念写真を撮って出発!

13.57分 「前鬼 140分」「釈迦ヶ岳 10分」の道標がある。
釈迦ヶ岳からはダケカンバの道を下るいっぽうである。
内炭、宮地、鈴木さんがKさんのペースに合わせ下りられる。
その他の人は先に下りることになる。
僕は今まで一番最後のほうで歩いていたが、ゆっくり写真を撮らせてもらいたいと思って
前のグループに加わり下りることにした。
 
14.15分 遠くにうっすら見える山並みが南奥駈古道の峰ではなかろうか、と思う。

14.22分 大日岳(1595m)の山頂がぴょこっと頭を出している。
 
14.25分 ダケカンバの道を下れば、大日岳がくっきり見えてきた。
 
14.31分 「深仙(じんせん)ノ宿」である。
赤い建物が「灌頂堂(かんちょうどう)」と呼ばれる参籠所である。
扉を開ければ九体の像が安置されていた。お詣りする。
  
深仙ノ宿から見る大日岳である。
 
14.43分 お堂で休んでいると、昨日僕らと一緒に弥山小屋に泊まった女性が下りてきた。
あれ! 僕らより早く追い抜いて行ったはずなのに、と思って聞けば、
「釈迦ヶ岳から下って、旭口の方に間違って降りて、引き返してきたのだ」という。
小柄な女性だが、独りで歩くとは凄いなあと感心する。
歳は、もう50は過ぎているようだが、いくつかなあ?
東京から来たという。「昨日、和佐又から歩き始めた」という。
「前鬼に泊まって帰る」というのだ。

後組が到着したところで、前の組は入れかわり深仙ノ宿を出発する。
内炭ご主人が今度は前のグループの案内である。

内炭さんが「釈迦が・・・」と教えてくれる。
山頂付近は雲が速い勢いで流れている。
山頂が隠れたり、ちらっと見えたり・・・
3〜4分じっと待って、山頂が姿を見せたときにパチリ!
14.52分である。

14.57分 「大日岳(行場)」への道標がある。

15.08分 「太古ノ辻」に着く。大日岳を眺めながら前鬼に向かって下る。
 
15.50分 「二ツ石」に着く。

16.54分 前鬼宿坊「小仲坊」に到着した。

だいぶ休んでいたが、「バスが車止めまで来ているだろうから、先に歩こうや」ということで歩き始める。
内炭さんが無線で後組と連絡を取り合っている。
後組は「二ツ石をちょっと下った階段のところだ」という。
17.46分 車止めのバスに到着した。

内炭さんが後組を迎えにまた宿坊まで引き返して行った。
しだいに暗くなってきたが、なかなか後組が遅い。
みんな心配していたのだが・・・・ようやく到着してホッとする。
無事であったことがなにより幸いである。
出発は7時半頃になっただろうか・・・・

無事歩けたことに感謝する。

追記
この山歩きの後で、宮地さんから「大峰北奥駈」のメールを頂いたが、この報告には、
「本コースは、昨年岸さんが大雨のため前鬼でリタイヤしたコースであり、今年は強い
意志で再挑戦されたようですが、同じような結果になったのはどうもその元凶は岸さ
んに有るようです。」
と書いてきている。
雨男を自認する宮地さんが、「雨になったのは僕が元凶だ」というのだ。
歩いている途中では、「山歩き」の会では、最近雨に遭うことが多いものだから
「内炭さんのせいだ」と、内炭さんの名前をあげていたのだが・・・
雨男の宮地さんに、「元凶だ」と言われると、おかしな気分だが・・・
僕も「そうかなあ」と、僕も「雨男の宮地さんの仲間入りをしようかな」・・・・・ハッハッハッハ
ご一緒のみなさんにご迷惑かけたようで・・・ごめんなさい

             ― おわり ―