表銀座縦走(燕岳〜大天井岳〜槍ヶ岳)
                     2007/9/15〜18

内炭さん主催の燕岳〜大天井岳〜槍ヶ岳を歩く「表銀座縦走」に参加した。
予定とコースは次の通りである。

9/15 奈良発〜中房温泉泊まり
9/16 中房〜燕山荘〜燕岳(往復)〜大天井荘〜大天井岳(往復) 【歩行約8時間】
9/17 大天井荘〜西岳〜水俣乗越〜槍ヶ岳山荘〜槍ヶ岳(往復) 【歩行約8時間】
9/18 槍ヶ岳山荘〜飛騨乗越〜槍平〜新穂高温泉 【歩行約7時間】



第一日目(9/15)

近鉄高の原駅前を7時にバスで出発。集まったメンバーは顔なじみの方が多いが、今回初めてお会いする方もいる。
女性の参加者が多く、女性のたくましさを痛感する。

海抜1642mの中房温泉に着いたのは、午後2時40分である。
この中房温泉の開湯は1821年であるという。180年の古い歴史のある温泉場である。玄関前には「日本の秘湯を守る会」と書かれた提灯がぶら下げられている。この「中房温泉」のほか「国民宿舎町営有明荘」がある、山奥の静かな温泉場である。登山客とゆっくり温泉浸かりを楽しむ湯治客だけが訪れるような鄙びたところである。
近くに30を越える源泉を持つという。源泉は70〜97度もあり、宿の周りには流れ出る温泉の噴気と湯煙りに包まれている。貰ったパンフには白滝ノ湯、御座の湯、滝ノ湯、綿の湯、薬師の湯、大浴場、大湯、岩風呂、菩薩の湯、不老泉、月見ノ湯と、入り切れぬほどの露天風呂や内風呂がある。
  

割り当てられた部屋に荷物を置き、早速露天風呂にでかける。選んだのは、サンダルを履いて5〜6分ほどの「菩薩の湯」に出掛ける。
  
入浴後、歓談。今日10時に勤務を終えて電車で駆け付けたという出島さんが到着。これで男性5名、女性9名の総勢14名となった。6時に夕食。早めに寝る・・・・明日のために。


第二日目(9/16)

5時頃、「不老泉」で入浴。旅館サービスの焼き芋を頂きながら、くつろぐ。
7.38分 出発前の記念写真を撮って、出発。
内炭夫妻、出島さん、岡田さん、倉井さん、宮岡さん、河野さん、宮地夫妻、山本さん、西畑さん、矢田さん、内野さんである。

「中房温泉」からすぐ燕岳への登山口である。「燕山荘」まで4.5kmの表示がある。
取り付きからすぐ急な上りの連続である。
 
8.18分 「第一ベンチ」に着く。「燕山荘」まで「4.5km」。
休まず通りすぎる。
中房温泉から合戦小屋までの合戦尾根は「北アルプス三大急登」の一つだというのだ。
「北アルプスの三大急登」って、どこと、どこなのかな、と思って、後で調べてみれば、
一つは、北アルプス・烏帽子岳へのブナ立尾根
一つは、笠ヶ岳の笠新道、である。
  
8.39分 「第二ベンチ」に着く。休憩。標高 1,820mである。
「燕山荘」まで3.8kmである。
出発前の週間予報では、降水確率が60〜70%と悪かったのだが・・・・
曇っているがすぐには雨は降りそうにない。やれやれ、ありがたい、と思う。
  
9.14分 「第三ベンチ」に着く。休憩。「燕山荘」まで2.8kmである。
 
「燕山荘」まで距離2.8kmと短いと思うのだが、急な上りの連続である。
 
9.52分 「富士見ベンチ」に着く。ここから晴れていれば富士山が見えるので、付けられた名前であろう。
今日は富士の姿は見えない。「燕山荘」まで2.4km。標高2200mである。
 
10.28分 「合戦小屋」に着く。休憩。空には雨雲がたれ込めている。めいめい飲み物などを注文して飲んでいる。
  
10.58分 30分ほど休憩して出立する時には、雨が降り始めてきた。
雨具を着けての出発となる。

どしゃ降りではないが、雨は続く。遠くの山並みは全然見えず。
 
11.39分 「燕山荘」の建物が見えてきた。11.55分 「燕山荘」に着く。立派な建物である。
ここで昼食をする。「中房温泉」で出発時、おにぎりを貰ってきたのだが、おにぎりでは食欲がなく、
山荘のカレーライスを注文して食べる。おにぎりは山荘の従業員に食べて頂くために渡すと大変喜ばれる。
無駄にならずにすんでよかった、と思う。
  
12.33分 リックを山荘に置いて、空身で燕岳に出掛ける。
雨はポツポツという状態である。ガスで遠くの視界はきかず。歩くにつれて奇岩が見られる。
  

  

  
12.56分 先頭はもう山頂に着いて、「槍!槍!」と叫んでいる。
急いで山頂に駆け上るも槍ヶ岳の姿は雲の中。
雲は早く流れているんだが、槍ヶ岳にへばりついた雲は動かず。
「早くどいてくれ!」と叫べども、無情にも雲動かず。槍のふもとだけが見え隠れするのみ。残念なり!
  

 
13.01分 5分ほど槍ヶ岳の姿を待ち焦がれたが、ついにあきらめる。
心の中は不満なれど、記念写真はそれでも満足そうな顔をして写真におさまっている。下山開始。


  
下山途中、岡田さんは岩にかけあがり、両手を広げて歓声をあげている・・・たぶん歓声をあげたに違いない。
  

  
13.28分 「燕山荘」に戻る。ガスも消えて、燕岳の山頂が見えている。
 
13.35分 記念写真を撮って、大天井に向かって出発する。
雨はあがっている。


  

 



 
14.24分 「大下りの頭」の道標が立てられている。
「大天井岳 3.5km」と書かれている。
  
14.25分 我々が歩いている尾根の左手の尾根の方には
前に登ったことのある常念岳の山頂がうす雲の中に見えている。
  



  
15.28分 鎖場を下る。この辺の岩は「切通岩」と名付けられている。
下ったところに「喜作レリーフ」が岩肌に埋め込まれている。
小林喜作の功績を讃えてのことである。
大天井岳の開拓者といってよい小林喜作は、猟師であって名ガイドであり、北アルプスの登山黎明期の逸材として記憶にとどめておきたい。残念にも親子ともども大正12年3月、爺ヶ岳西の棒小屋沢で、出猟で宿泊中雪崩に遭遇し死亡している」という。
  
15.36分 「常念岳」と「槍ヶ岳」への分岐点に着く。休憩。
今日泊まりの「大天荘」は「常念岳」の方向に上っていくよう表示されている。もうすぐだ。
今歩いてきた尾根を振り返れば、ガスがうっすらかかっている。
  
16.08分 ついに「大天荘」に着く。雨が激しくなってきた。
ちょうど小雨の時に着いたので、やれやれ、よかったな、と思う。
 
濡れたものを乾燥室に干したり、夕食まで歓談などして過ごす。
夕食後早めに寝る。


第三日目(9/17)

4時に起床。5時過ぎにはもう早い人が出掛ける用意をしている。
「ご来迎を拝むのだ」と言っている。
外に出てみると、空には満天星がきらきら輝いている。
今日は素晴らしい天気になるぞ、と嬉しくなる。
カメラを取りに戻り、それほど時間も経っていないのに、再び外に出て空を仰げば
先ほど見えていた満天の星は雲に覆われてしまっている。
あれ!さっき見えたのにj、と変化の早さに驚く。
5.19分の光景である。
  
5.58分 朝食を終えて、空身で大天井岳に出発。6.08分 山頂に着く。
  
記念写真を撮る。晴れていれば、この写真の背後に槍ヶ岳が見えるはずであるが、残念ながら山の頂は雲に覆われている。
まあ、大天井の山頂に足跡を残したので、良し、としよう。


  

    

6.20分 常念岳方面の尾根を眺める。どんよりとしているが、雨はまだ大丈夫である。

6.28分 「大天荘」を出発する。ここは「常念岳」と「槍ヶ岳」への分岐点である。
槍ヶ岳に向かって下る。
  
かなりの急斜面が続く。
  
6.53分 下の方に「大天井ヒュッテ」の赤い屋根が見えてくる。
  
これから槍ヶ岳に向かって歩く尾根筋が一望できる。

7.00分 「大天井ヒュッテ」に着く。休憩。

7.16分 大天井岳から続く東天井岳〜横通岳〜常念岳へと連なる山並みである。

7.31分 「貧乏沢入口」という道標をすぎ、7.37分「ビックリ平」に着く。

ビックリ平から眺める大天井岳から続く東天井岳〜横通岳〜常念岳へと連なる山並みである。


 
7.42分 歩く右手前方の尾根が槍ヶ岳からつながる北鎌尾根である。
稜線は雲に覆われて見えないが、白い険しい沢筋が何本も走っているのが見られる。

7.43分 広い尾根道を歩く、歩く・・・左手に常念岳を眺めながら・・・
  
8.26分 黄色く色づんできている斜面を眺めながら・・・気分も晴れやかに???
今日は祭日であるというのに、出会った登山客は何人だったろう? 「表銀座」の呼ばれているのに・・・
3人ほどだったように思うのだが・・・ほとんど人影なしだ。
  
「猿! あそこに猿!」の大声がする。「どこ、どこ」と見れば二匹のお猿さんがいる。
こんな高いところに、食べ物も何もないだろうに・・・と可哀想な気もする。
  
9.14分 「ヒュッテ西岳」に着く。休憩。
小屋の手前に「西岳」があるんだが、登らず前に進む。
  

  
10.19分 槍沢が進む左手に見えてきた。
 
10.40分 「水俣乗越」に着き、休憩。
内炭旦那さんは一足先に明日からの勤めでここから下山する。
槍ヶ岳まで一緒に行けない寂しさか、これから槍ヶ岳までの危険な尾根道をゆく我々を心配してか、
見送る内炭さんの複雑な顔。手を振って別れる。
 
細い尾根道で急な斜面の上り下りが続く。垂直に近い鉄はしごが続くところもある。
雨であるので特に足元注意が必要だ。かなり強い風も吹いている。バランスを崩さぬように、と進む。
  

  

 
細い尾根道で一歩踏み外せば、奈落の底にするような道を進む。
雨の中、突風が時々吹き付ける。
身体がふらつくようになる。
狭い尾根道でひゃっとするほどの風が吹く。
「槍ヶ岳山荘」に着いてから、河野さんが「この尾根道はガスがかかって下の方が見えなかったから、
歩きやすい。かえって下の方が見えれば、狭い尾根道の両方が険しく切り立っているので、こわさを感じる」と言われる。
その通りかも知れないな、と思う。しかし景色が見られなかったことのほうが残念だなぁ、と強く思う。
12.36分 「ヒュッテ大槍」に着く。ここまで無事に来られた。雨の中小休止してから出発。
 
13.47分 ついに「槍ヶ岳山荘」に到着した。
晴れていれば、にこにこ顔の記念写真を撮るのだが、雨であるからそれどころでない。
 
濡れたものを乾燥室に吊し、やれやれ、と思う。
普通であれば、夕食は腹が減って、食欲があってほさそうなものだが、それほど食欲がわかない。
ご飯もお茶漬けでやっと残さず食べ終える。
今日も早い眠りだ。

第四日目(9/18)

真夜中に目を覚ませば、外はゴウゴウと台風のように吹き抜ける風の音。
内炭さんが昨日の夕食前に「明日は5時に出発します。食事前にに槍ヶ岳に登ります」と言っていたが、
こんなひどい風雨では到底無理だ、と思いながら、また眠りに就く。
4時に起きる。4.55分外に出てみる。
風はまだ強い、雨もちょっと降っている・・・夜中のあの強い風は少し静まっているが。
槍ヶ岳の写真を撮るも、真っ暗で写らず。
これは5.12分に撮ったものである。東の空が明らみかけてきた。
風もおさまってきている。雨はあがっている。



5.20分 だいぶ明るくなってきた。富士山も雲の上に浮かんでいる。

5.26分 山荘入り口の傍で工事中の建物が、昨夜の風で倒され、従業員が後片づけをしている。
 
5.36分 陽が昇った。好天間違いなしだ。ありがたい。
  
5.37分 穂高連峰が陽に輝いている。
こういう光景が見られることが、山に登った歓びである。

6.08分 富士山が綺麗に見えている。



5時半から朝食をして、6.10分 槍ヶ岳に登り始める。

登る途中からの穂高連峰の眺望である。





6.36分 槍ヶ岳山頂に着く。360度の展望ができる。
一昨日から歩いてきた燕岳〜大天井岳からの稜線を眺める。
「ああ、あんなところを歩いて来たんだなあ」と感慨深く思う。

黄色の線が歩いてきたコースである。

6.40分 山頂で両手を三角形の形を作り、写真を撮る。
これが「槍のポーズ」だという。山頂には小さな祠が安置されている。
  



  



 






6.55分 山頂からの眺望を十分に堪能して、下山開始する。
  

  
7.20分 槍ヶ岳から下り、山頂を眺める。富士山もまだ姿をくっきり見せている。
  

 


7.46分 記念写真を撮って、新穂高温泉に向かって下山開始。

下る前方には、笠が岳が雲のスカートを履いている。
  
槍ヶ岳から双六岳へ通じる西鎌尾根がハッキリ見られる。双六小屋も確認できた。
 
山荘から下るとすぐに槍ヶ岳の姿は見えなくなる。こんどは小槍が見送ってくれる。
 
斜面は黄色に色づいている。
10月中頃になれば、もっと色づいて綺麗になるのだろうに、と思う。
 
ベニバナイチゴがたくさん実をつけている。
食べてみたら、甘みもあるがちょっと酸っぱい味もある。
 


振り返れば小槍が小さく見えている。9.14分 焼岳と乗鞍岳が見えてきた。
 
西穂高辺りの穂高連峰の稜線が見えてきた。





10.24分 「槍平小屋」に着く。休憩。コーヒーやコーラなどを注文して飲んでいる。
 
10.50分 記念写真を撮って出発。

11.25分 「藤木レリーフ」がある。
後でインターネットで調べてみたら、
「レリーフの人物、藤木九三氏は明治20年生まれ、先鋭的な岩登りを提唱・実践したアルピニストである。
芦屋ロック・ガーデンを命名したらしい。」

と書かれていた。
 
11.28分 滝谷出会に着く。 
11.48分 対岸の向こうに白い筋が見られるが、これが「雨が降れば滝になるのだ」と内炭さんが言われている。
 
12.31分 白出沢出合に着く。

笠ヶ岳や抜戸岳の山並みを右手前方に見ながらひたすら歩く。
13.18分「穂高平避難小屋」に到着する。
  


14.14分 新穂高温泉に到着。
「新穂高温泉アルペン浴場」という公衆温泉に入り、汗を流す。
湯に浸かりながら、「無事にこの4日間、山歩きできたなあ」と感慨深く思う。
そばのレストランで昼食。ビールで乾杯!
 
ごくろうさ〜ん、お疲れさ〜ん

              ― おわり ―